タイトル:ストリートファイター4
対応ゲーム機種:アーケード、PlayStation3、XBOX360、PC
このゲームは2008年7月にゲームセンターで稼働を開始した対戦格闘ゲームです。「ストリートファイター」シリーズというと、格ゲーとしても超がつくほど知名度が高く、ゲーマーで知らない人はそうそういないほど有名なシリーズですが、その一方で前作までの敷居の高さが原因で新規プレイヤーや格ゲー初心者がなかなか寄り付かない物になってしまっておりました。
同シリーズの「ストリートファイターIII 3rd STRIKE -Fight for the Future-」は傑作で、ゲームの完成度の高さから今でも定期的にゲームセンターなどで大会が開かれたりするなどの圧倒的な人気はありますが、その分テクニックや覚える知識が他のゲームに比べて非常に多く、戦えるようになるまではかなりの時間トレーニングモードなどで鍛えないと話にならないといった状態になるため、ただでさえ他ジャンルに比べて人の少ない格ゲージャンルの中でもとっつきにくいといったものになっておりました。
しかし、本作ではそういった難しいものを取っ払って「ストリートファイター2」シリーズをベースに原点回帰を行い、「簡単操作で楽しく駆け引きを楽しむ」事が出来るようになりました。
後にPS3、XBOX360で家庭用移植+オンライン対戦を実装されることでこのゲームは世界的に格ゲー初心者だけでなく熟練者も大量に取り込み、世界的な超人気を誇る格ゲーブームを巻き起こす事になりました。
簡単操作
今作では最初に覚えるべきテクニックが殆ど無く、とりあえず「セービングアタック」と「ウルトラコンボ」だけ覚えて必要に応じて使ってれば問題なく遊ぶことは出来ます。
波動拳、昇竜拳などの基礎的なコマンドを覚えておけばある程度は簡単にプレイ可能で、CPUの難易度もそう高くない事もあり、一人プレイ専門のプレイヤーから始めて格ゲーに触れる人でも入りやすい形となっています。
とはいえ、熟練したプレイヤー向けには「目押し」「セービングキャンセル」「めくり」「起き攻め」など、超高レベルな戦いも可能と初心者から上級者まで幅広いプレイヤーが楽しむ事が可能です。
オンライン対戦
2009年に家庭用が発売され始めたときに丁度インターネットの「光回線」が丁度普及し始めたという事もあり、オンライン対戦の環境が大幅に整備されました。
これによりPS2やDCなどであった専用プランを組まずに自宅のネットワーク回線を用いて気軽にオンライン対戦を楽しめる上に、PS3版は無料でオンラインを遊べるため、ネット対戦の敷居が低くなったといえるでしょう。(XBOX360はゴールドメンバーシップと呼ばれる有料会員、月額842円程)
光回線となった影響か、PS2やDCなどで深刻な問題だったタイムラグが大きく解消されたのも良いところといえるでしょう(勿論環境の相性などでラグは発生しますが)
一部強すぎる要素
ストリートファイター4シリーズ全てに言えることですが、「起き攻めが強すぎる」ことと「当て投げが強いことがよく批判点にあげられます。
起き攻めは相手のガードの裏を突く「めくり」や「ジャンプ攻撃」がそもそも強く、初心者と経験者が当たってしまうとこれだけでハメ殺される事も多々あるレベルです。
格ゲー5神として有名で、現在プロゲーマーとして活躍しているときど氏の開発した豪鬼の起き攻め「ときど式」があまりにも強く、有名です。
後に「ウルトラ」で「ディレイスタンディング」と呼ばれる「起き上がるタイミングを11F程度遅らせる」システムが導入されたことにより、起き攻めが弱体化しています。(とはいえ、読まれてしまうとトコトンやられるので、油断はできません)
ゲームバランスとプレイアブルキャラ数
ゲームバランスとしては非常に保守的、堅実といえるレベルの出来で、基本的な性能である「リュウ」が強力で、格ゲーの基礎をある程度学んだらそれなりに戦えるゲームになっております(ガチ勢同士だと流石に辛いですが)とはいえ、一部キャラはお手軽に相手の体力をごっそり持っていくトンデモ火力を持っていたり、やや理不尽レベルに火力や性能が抑えられてるキャラも存在しています(後に意図的に弱くしたらしいキャラもいると判明)
キャラの数については家庭用追加キャラを含めると25人程度と、多すぎず少なすぎずといった感じにまとまっておりますね。
「アーケードエディション」では開発が意図的に作ったと思われる異常なぶっ壊れキャラとして悪名高き「ユン」「ヤン」があまりにも悪い印象がついていますが、後に「Ver.2012」で調整が入り、かなり環境が落ち着きました。
バージョンアップ版
2010年に本作のバージョンアップ版としてキャラクター、ミニゲームを追加し、ゲームバランスを調整した「スーパーストリートファイターIV」と、同作品のアーケード調整版「スーパーストリートファイターIVアーケードエディション」がリリースされました。(後に2011年にアーケードエディションは家庭用で配信され、当時劣悪だったバランスも「Ver.2012」としてパッチが当たり調整が入ります)
その後は2014年に「ウルトラストリートファイターIV」がリリース、「ウルトラコンボダブル」や「ディレイスタンディング」の導入、新キャラクター追加によりストリートファイター4シリーズは完成系となります。
「ウルトラ」はPS3やXBOX360だけでなく、PS4やSteamでも販売が開始され、さまざまなゲーム機でも楽しめるようになっております(クロスプレイは不可能)
余談
「アーケードエディション」でプレイヤーにトラウマを植え付けた「ユン」「ヤン」を皮肉ったものなのか、インディーズで「DIVE KICK」というゲームが後にPCでリリース、何故か謎の人気を博しております(後にPS3とPSVITAでも配信)
現在プロゲーマーとして活躍をしているウメハラ氏はスト4で再始動、そこからプロゲーマーになっています。(後にさまざまなプロゲーマーが本作で誕生)
それほどスト4は様々なゲーマーに愛されている名作であると言えるでしょう。
現在は最新作の「ストリートファイターV」が2016年にリリースされてはいるものの、「V」は思いのほか高い評価を得られておらず2020年現在も「ウルトラ」を遊び続けるプレイヤーは多くみられます。
特に2020年の段階で世界的に蔓延している新型コロナウイルスの影響で自宅待機になっているユーザーが多いためか、オンラインも少し盛り上がっているようです。