対応ゲーム機種:PlayStation2、ニンテンドー3DS

本作は2005年にPlayStation2専用ソフトとしてナムコ(現バンダイ・ナムコ)より発売されている「テイルズオブ」シリーズの10周年記念作品です。
ゲーム以外にも後にテレビアニメ、ノベライズ、コミカライズなどもしており、「テイルズオブ」シリーズの中でも知名度は高い部類にあたります。
イラストレーターは「ああっ女神さまっ」「逮捕しちゃうぞ」で有名な藤島康介氏が担当しています。

戦闘システム

「ジアビス」の戦闘はシリーズ初の「フィールドを自由に動き回る事が出来る」ようになり、味方の援護や敵の攻撃を回避しやすくなった事が非常に大きいです。
「FOF(フィールド・オブ・フォニムス)」と呼ばれる新システムによって術技の変化やADスキル、Cコアなどを使った育成要素など、活用することでゲームの遊びの幅が広がります。
ただし、フリーランの導入やAIの貧弱さにより、他シリーズと比べるとゲームの戦闘難易度は低い傾向にあります。
スキルなども強すぎる、というよりぶっ壊れといっても過言ではないものが多いので初心者の人でも遊びやすい反面熟練者は物足りなくなりがちです。
オプションで難易度の調整も可能ですが、最高難易度の「アンノウン」にしてしまうと、敵が異常なほど強化されてしまい、クリアが困難になってしまうほど大味な調整となっています。
某動画サイトではアンノウンで隠しボスに挑むなどのやり込み動画が投稿されていたりと、「挑戦」としてプレイしている人もおりますが、少々やりすぎな調整な気はしますね。

キャラクターの強すぎる個性と賛否のわかれるストーリー

主人公のルークが特殊過ぎる出自故、それによって我儘かつ横暴なキャラとなっており、物語中である重大な事件を引き起こしてしまうことで罪を償い、自分自身を変えていくといった話になるのだが、
序盤の彼の言動なり態度があまりにも目につき、その時点でやる気をなくす、プレイを断念するといったプレイヤーもいたようです。
敵味方ともに基本的に暗い話が付いて回るため、その手の話が苦手な方にはオススメしづらいというのが辛いところです。

本作の人気

本作の主人公であるルークや仲間キャラのガイ、ジェイドなどは公式サイトによる人気投票で上位入賞の常連となっており、本作の人気が高い事がうかがえます。
PSPで発売している「レディアントマイソロジー」シリーズで本作のキャラが多く出演、同シリーズの3作目は全キャラに加えルークの師匠である「ヴァン」の参戦までしております。
スマートフォンで展開中の「アスタリア」「ザレイズ」「クレストリア」でもジアビスのキャラクターは多く、クレストリアではルークの外伝まであるほど本作の優遇っぷりはとてつもないと言えます。
その反面あまりにも優遇されているせいでファンから「またアビスか」とも言われたり悪い面でも目立ってしまっております。

後の作品への影響

本作の戦闘システムの完成度は極めて高く、後の「テイルズオブ」シリーズのほとんどの3Dシリーズにおいては本作の「フレックスレンジ リニアモーションバトルシステム」をベースに作られています。
PSPで発売されている「テイルズオブザワールド レディアントマイソロジー」シリーズも本作の戦闘システムが基礎になっております。

移植版

後に2011年、ニンテンドー3DSにて本作の移植版が発売されました。
オリジナル版で大きな問題であったバグやロード時間の解消、北米版でのみ追加されていた要素の収録などされており、完全版といえる内容となっています。(ただし、多人数で遊べない完全一人用になっています)
ただし、中古でも値段が高い傾向にあり、3DS本体の生産が終わってしまった2020年現在でも値崩れはあまりせず、廉価版の定価を超える中古価格になっているお店も多々見られますので、
抵抗が無ければダウンロード版の購入を検討するのも手ですね。(値段はどちらも3080円(税込))

余談

「ジアビス」発売の2005年の時点では「テイルズオブ」シリーズが多く出ており、2004年の冬に「リバース」2005年夏に「レジェンディア」が発売されており、ユーザーも休む暇もないといえるくらい状態になっておりました。
そのため「ジアビス」はデバッグ不足な面が目立っていたという説があります(前年の2004年にはGC用ソフト「テイルズオブシンフォニア」のPS2版移植もあったので開発期間はおよそ1年といった極めて短い時間だったためとも言われています)

総評

10周年という記念の作品であるにも関わらずロードの長さやバグの多さ、ストーリー中のキャラの言動に苛立ってしまうなど、人をかなり選んでしまうゲームになってしまっております。
本作からテイルズオブシリーズに触れたプレイヤーもかなりおり、「テイルズといったらやっぱアビスでしょ」という人も多くいますね。
バグやロードに関しては前述の3DS版で解消されており、かつ最近のゲーム機でプレイが可能なため今からジアビスをプレイしてみたいという人にはそちらが良いでしょう。
やり込み要素も豊富なうえに長く、ハマれば半年から一年はがっつりと遊べる名作です。

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